【ある日、爆弾が落ちてきて】古橋英之 / 2005 / 既刊1巻
古橋英之によるハートフル短篇集。表題である「ある日、爆弾が落ちてきて」の他に、「くしゃみをするたびに記憶が退行する奇病」「毎夜たずねてくる死んだガールフレンド」「図書館に住む小さな神様」「肉体のないクラスメイト」などを収録。
短篇集として手頃な1冊です。
他の作品に関連するわけではなく、本当に淡々と物語が綴ってあるだけですが、その完成度は高い。難しいことを考えず、辺に斜に構えることもなく素直に読めるので、とてもお勧めです。
【ある日、爆弾が落ちてきて】古橋英之 / 2005 / 既刊1巻
古橋英之によるハートフル短篇集。表題である「ある日、爆弾が落ちてきて」の他に、「くしゃみをするたびに記憶が退行する奇病」「毎夜たずねてくる死んだガールフレンド」「図書館に住む小さな神様」「肉体のないクラスメイト」などを収録。
学校一の天才児。そこにお金持ちと頭脳明晰、運動神経抜群を加えても色褪せるほどの変人、水前寺邦博。彼は園原中学3年であり新聞部部長、そして主人公浅羽直之の先輩であった。彼は夏休みの大半を学校の裏山で過ごし、UFO探索に没頭していた。後輩かつ下僕である浅羽直之を連れて。 9月1日。夏休みの終わりと共に学校にやってきた時期はずれの転校生"伊里野加奈"。彼女が自衛隊とつながりをもっていることから、その存在を重視した水前寺は彼女を強引に新聞部に勧誘。そして、監視・追尾するごとに明らかになっていく"伊里野加奈"という人物の異常性。
彼女は何者なのか、UFOは実在するのか、日本が自衛隊が戦っているものはなんなのか。
そして彼は裏山に墜落した謎の物体を追ったのだが・・・
ここにUFOの夏が終わりを迎えようとしている。
いわずとしれたボーイミーツガールの金字塔の一つ。ラノベなり簡単な小説を紹介するのならば、絶対にこれを薦めます。だれもが経験した、或いは夢見た甘い日常。けれど現実は恐ろしく、しかし本人だけが深みにハマっていることにどこまでも無頓着で。
学生の夏と言えば、端的に夏休みの最中を思い浮かべるかも知れません。けれどこのお話は夏休み以後の出来事が中心です。
この話を読むと、夏に「死」を連想してしまいます。
セミの死骸
もぬけの殻になった学校
海辺の花火の燃えカス
後半になっていくほどに死んでいく者たちの描写が強く残り、それでも生きていこうとする主人公たちと対比される描写がいくつもあります。
本編では明らかになっていない場面が多々あります。宇宙人やUFOの直接の描写はありません。水前寺が見たものの正体や、榎本の真意など。しかし、隠れた部分を想像することもこの作品の見所です。それを想像させるだけの厚みがこの物語にはあるのです。